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葬儀業界のデジタル化 [QRコード 5つの活用例]

思い出のデジタル化
葬儀業界のデジタル化 [QRコード 5つの活用例]

追悼サイトにつながる無料QRコードの活用ー[最新版2020年度]

近年、スマートフォンなどを使い故人への想いを写真やメッセージで残すことがますます人気になっています。代表的なものとして、有名人の追悼サイトがあり、これらのサービスにQRコード(バーコード)を使いアクセスするなど、欧米では葬儀業のデジタル化が進んでいます。
 
今回は、葬祭業の2020年のデジタル化の変遷を各国の例を挙げて紹介いたします。

もくじ

1. これらのテクノロジーの立ち位置

ITは、葬儀業界において、葬儀や墓地、その他のあらゆるサービスに取って代わるものではなく、補助的なツールです。
QRコードも同じで、QRコード・テクノロジーは葬儀業界を変えるのではなく、業界がご遺族のために取入れ活用できる便利なツールです。

2. QRコードとは

QRコードは、ほとんどのスマートフォンでスキャンできるバーコードです。使用にはQRコードスキャナーアプリが必要です(多くは無料で利用できます)。QRコードがアプリでスキャンされると、Webサイトを開いたり、メッセージを表示したり、保存できる連絡先カードを開いたりします。QRコードを使用することのもう1つの優れた点は、QRコードを提供するために追加コストがないことです。さらに、QRコードはアクセス解析が無料で簡単にできるため、使用回数や使用場所が匿名性を残し解析可能です。

3. 活用例の5つとは

(1) 葬儀・法要・お別れ会などの 諸行事のご案内

 現在お使いの招待状や郵送物にQRコードを追加します。これによりスマートフォンで、故人専用のウェブサイトから、行事の日時や場所を確認するとがでるようになります。また、遠方やご高齢で行事に参加できない方に、いつ、どこでも故人の「思い出:ご遺族からのメッセージ・思い出の写真・ビデオ」などを共有できるようになります。

(国外では故人の思い出の共有をEulogy:賛辞と言います)

(2)葬儀場・お別れ会・法事・墓地への道順

スマートフォンで簡単に行き方をご案内できます。追悼サイトに保存した地図情報から、参加者はカーナビやスマホ内蔵のGPS /地図を使用して場所を確認できます。

(3) おくやみ記事

故人のオンラインおくやみ記事を作成しQRコードを追加することができます。欧米では、死亡記事や、死亡広告は急速にデジタル化が進んでおり、 一般の方も死亡記事のデジタル版が盛んです。遠方にいる方や連絡を取りづらい方に、人物評伝をしっかりと書き、追悼記事訃報や葬儀の情報を知らせる手段としてとして普及しつつあります。

新聞社の死亡記事との違いは、「掲載が自由」「閲覧制限が可能」「ご遺族などの参加型」で安価であることから英語圏で数千万人の方々が活用するサービスです。

(4) 行事を知らせるデジタル化連絡網

電子メールやLINEなどを送付する際にQRコードの画像を併せて送付します。これにより、追悼サイトを使い連絡先に正確に情報を伝えたり、一時的に法事の簡便な出席・欠席確認に利用することもできます。

(5) お墓にバーコードを追加

お墓、仏壇、写真立て用に、自由に取付可能な金属性・セラミック製のQRコード付プレートを取付けます。(500年以上の耐久性) このQRコードは追悼サイトにリンクされており、故人・先祖の「思い出」がメッセージ、写真、人生史や家系図などで詰まっており、新たにメッセージを投稿したりし故人と心を通わせることができます。

4. 各国の事例

先進国はこのQRコード技術を使用して、色々なサービスを提供しています。それぞれの国の活用例ををここで紹介します。

1.トルコ

トルコの首都アンカラのにぎやかな通りには、「ここで女性が殺害された」と書かれたデジタル追悼碑があります。スマートフォンでスキャンすると、訪問者は2019年1月に生徒に殺された講師のCerenDamarの悲しい出来事を読むことができます。
QRコード付きの追悼碑は、犯罪現場に建てられた他の多くの方の中にあります。この取り組みは、国内で蔓延している女性への迫害についての認識を高めることを目的としています。
 
 

2.デンマーク

デンマークの葬儀会社は、オンラインのリンク先Webサイトで死者を称えるQRコードを追加しています。デンマーク最大の墓石メーカーは、この技術を追悼碑に取り入れました。
会社のディレクター、Neils Kristial Nielsenさん曰く、「故人はそれぞれ素晴らしい人生の軌跡を描きました。そして、彼らの話や人生で何をしたかが重要だと思います。次世代がこの記憶を持つことはとても重要だと思います。そして、QRコードでそれを可能にすることができます」
 
 

3.ニュージーランド

ニュージーランドのウェリントンにある葬儀会社であるLegacyMakerは、追悼碑にQRコードを使用しています。QRコードは、亡くなった人の話を伝えるWebサイトにリンクしています。
 
「私たちは、悲しみに暮れる家族の癒しだけでなく、このアイデアが生み出す子孫へ残せるメッセージに非常に興奮しています。家族の歴史を整理して保存するのに最適な方法です。」—LegacyMakerの会社所有者であるCamilleBarnett
 
 

4.イングランド

イギリスのアーモンズベリー記念館では、政府はQRコードを使用して勇敢な男性に敬意を表しています。第一次世界大戦で戦った111人の村人と24人の殺された村人が、The Roll ofHonourの地域で特定されています。追悼碑の横にはQRコード付きの特別なマーカーがあります。QRコードは、追悼碑に名前が付けられた兵士に関する情報を提供するWebサイトにリンクしています。

近年は、さまざまな追悼碑にQRコードを使用しています。そして、亡くなった人の記憶を永久に残しています。
 

5.アメリカ

パッテンモニュメントのすべての墓石とモニュメントには、遺族が、故人や世界中のオンラインコミュニティと思い出を共有することができる、ユニークで革新的なQRコードでのサービスが含まれています。
それは、亡くなった人々の物語、個性、精神を生かし、彼らの存在によって影響を受けたすべての人々を結びつけ、オンラインの追悼の場で彼らの歴史を共有します。
ほんの数ステップで、多くの訪問者は、亡くなった人々の人生史を共有し関連付けることで、人生の体験と記憶を拡大します。これは、愛する人を認識して敬意を表し、その過程で他の友人や見知らぬ人の生活にどのように影響を与えたかを知るためのシンプルで強力な方法です。

5. 活用メリット

–故人の話をする
 
追悼サイトの訪問者は自分のつながりや思い出を、亡くなった人と結びつけることができます。訪問者は、亡くなった家族、友人、または愛する人を大切に想う理由と、他の人にどのような影響を与えたかを振り返れます。

訪問者は故人との思い出をメッセージで投稿したり、写真をアップロードします。これらのメッセージや写真は、故人がどんな人であったか、そしてその人が残された人にどのような影響を与えたかについて永続的な記憶を残します。
 
 
–思い出を共有する
 
故人が共有した出来事、楽しんだ活動、話したりしたこと、そして訪問者の生活のさまざまな段階での故人の存在など、追悼サイトを訪問した人々に様々な思い出を表現する機会を与えます。
故人へのメッセージや写真を投稿することで、訪問者は自身の人生を振り返ることができます。また、故人との人間関係、共通の趣味、学業や仕事での成果、旅行やイベントでの出来事などに関する投稿で、他の訪問者は、故人の知らなかった一面に触れることができます。
 
 
–場所を保持する
 
墓石に、仮想の訪問場所を作成するだけでなく、訪問者が物理的な追悼碑や墓地を簡単に見つけて訪問できるようにします。追悼サイトに地図情報を保存することで、墓地、霊廟、または記念碑への迅速なナビゲーションを提供します。
 
 
–どこからでもアクセス
 
インターネットサービスを利用して、スマートフォンまたはパソコンで世界中のあらゆる場所からアクセスできます。遠く離れた場所からでも訪問者はメッセージや画像をアップロードし、故人の思い出を伝えることができます。
追悼サイトに簡単にアクセスできるだけでなく、離れた場所にいる故人の友人や家族との幅広いつながりが可能になります。
 
 
–メモリを存続させる
 
QRコードで繋がった追悼サイトは大切な記憶です。追悼サイトを作成し、メッセージ等の投稿が蓄積されていくことで、故人への想いを永続的に思い出すのに役立ちます。それは私たちの生活における故人の重要性を毎日思い出させるものであり、継続的に故人とのつながりを維持する方法です。
メッセージ、画像、思い出等の投稿は、世代や時代の経過に耐えるように構築されており、過去の生活の永遠の描写として機能します。

6. まとめ

葬儀やお墓の歴史を振り返ると、現代のような葬儀や碑石を使うお墓が建てられ始めたのは、江戸中期の頃からだと言われています。といっても、その頃からすべての庶民がお墓を建てられたわけではありません。

現在もなお死者を弔う形は変わり続けており、近年では、人それぞれの事情や価値観が重視され、それに沿った様々な葬儀や埋葬の形が存在します。

今回取り上げた、QRコードの利用も例外ではなく、故人や親族の願いから、ごく最近に生まれた全く新しいスタイルの葬儀や埋葬に伴うテクノロジーの活用です。これからも未来永劫に故人を思う本質は変化しませんが、形式は変遷してゆくと考えられます。